色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(1)光と色、眼のしくみ、照明と色、混色

色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(2)色の表示(表色系)

色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(3)色彩心理

色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(4)色彩調和の続きです

この過去問使って検定対策(5)では2020年 冬期の問題(16)の、「色名」について確認していきます。

ここでも、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定公式テキスト3級、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定過去問題集2・3級 2020年度、財団法人日本色彩研究所監修 新配色カード199シリーズは用意しておきましょう。

色彩検定3級 2020年の冬の問題をみて覚えることや覚えることを確認しましょう!      問題16

実際の2020年冬の過去問をもとに覚える内容を確認しましょう!

問題16は、「慣用色名」(公式テキストp128~135)からカラー問題が出題されました。

色彩検定3級 【慣用色名】で覚えること 公式テキストp128~135

色名の基本的な考え方

2019年12月に発行された色彩検定の公式テキストから、色名については慣用色名が試験対象となっており、それまで試験対象としていた、系統色名が資料という扱いになっています。

試験そのものについては慣用色名を覚えればよいと思いますが、慣用色名を理解するためには、資料にのっている、系統色名と慣用色名との違いを理解することが必要です。そこでここでは、系統色名と慣用色名の違いについてと、おおまかな系統色名についての説明をまとめていきます。

*色の伝達方法で最も一般的な方法が言葉による色の表示です。その中でも慣用色名は、通常の会話や商品の色の表示など、色のコミュニケーションツールとしてよく使われるものですが、色を正確に表す、という意味では、人によってその慣用色名でイメージする色の幅があり、正確さを表す意味では難しいところがあるので、日本産業規格(JIS)では、2つの色名で言葉による表示方法の規格があります。

【日本産業規格(JIS)の2つの色名について】

日本産業規格(JIS)には、色名について系統色名と慣用色名の2つの規格があります。

色名とは…色を表す名前のこと 色名を付けることでほかの色と区別することができる

【系統色名(けいとうしきめい)】

□色をシステマチックに表す方法 

□基本色名に修飾語を付けることですべての物体の色を表示できる。

・基本色名(きほんいろめい)

基本的な色の違いを表すもの。赤や黄のように色を表すためだけに使われる言葉。

有彩色(10種)・黄赤・・黄緑・・青緑・・青紫・・赤紫

無彩色(3種)黒・灰色・白

*基本色名だけでは、多くの色の違いを表すことができないため、基本色名に色相に関する修飾語や明度彩度に関する修飾語を付けて、色をシステマチックに表すものが系統色名です。

□色みの偏りを表す場合

基本色名の赤・黄・緑・青・紫の5種類に「~みの」とつける

例)黄みの赤→同じ赤でもどのような色みに偏っているか修飾語を付けることで伝えることができる

□明度や彩度の修飾語

うすい、こい、あざやかな…などの明度と彩度についての説明をつけることでさらにどのような赤かを伝えられます。

うすい赤です
こい赤です

 

このように系統色名を使うと、どのような色かが具体的にわかりやすくなります。

色彩検定3級 【固有色名(こゆうしきめい)と慣用色名(かんようしきめい)】

□ 固有色名とは その色からイメージしやすい、ものの名前からとられた色名(動物や鉱物、自然現象、顔料、染料、人物や地名などからつけられた名前)

□ 慣用色名とは 固有色名の中で広く知られて日常的に使われる色名。多くの人がその色名から色を連想できるようになったもの

例)桜色やチョコレート色など

カラーコーディネーター 涼子カラーコーディネーター 涼子

固有色名の中には、古来より使われ続けてきた伝統的な色名の伝統色や、ある一時期だけ流行した色名、また外来語を使った色名など、色々なものがあります

※なぜ、系統色名と慣用色名があるかというと、慣用色名では、イメージはしやすいものの、何をイメージするかで、人によってその色名からイメージされる色の幅はかなり差があります。たとえば桜色でも、ソメイヨシノをイメージするか、八重桜をイメージするかで「桜色」のイメージがかなり変わります。ただ日常の生活の中ではあまり厳密に色のイメージを共有する必要がないので、慣用色名で十分コミュニケーションが取れますし、また慣用色名は情緒的な美しさもあるので、商品名として使われることも多い色名です。しかし、その商品の色を決定し、その色を正しく再現する場合などでは、より正確な色のコミュニケーションが求められます。そのため、系統色名と慣用色名は使う目的に合わせて使い分けることが大切になります。

色の試験では、色を勉強している人ならば、このぐらいの色名は知っていてほしい、ということで、必ず慣用色名が出題されます。

その際、大切なのは、テキストに日本語表記の系統色名が載っていたり、2級で勉強するマンセル値が載っていますがその通りの色を覚える、というのは難しいのです。

慣用色名は、そもそもがイメージを表すものなので、正確に、というよりは、大まかに特徴(色の三属性やトーン)で覚えることが大切です。

カラーコーディネーター 涼子カラーコーディネーター 涼子

よく、テキストの色名と色名図鑑で同じ色名でも微妙に色が違っていて、どちらが正しいか?と質問を受けることがあります。それにたいしては、どちらも正しい、と伝えています。つまり慣用色名は幅をもって表すものなので、微妙に違ったとしても、その色名の許容範囲とみなします。それよりも、例えばテキストにある桜色を覚えるのなら、まずは薄く明るい少し紫みがかった赤という特徴をイメージできることがまずは大切になります

慣用色名の覚え方…以下の点をポイントに覚えましょう

□色みの系統や色の三属性やトーンに落とし込んで覚えてみる

今回の試験に出た茜色は赤なので、赤系として理解すること、また系統色名で「濃い赤」と表示されているので、dpトーンの2番ぐらいの色、という感じで覚えてみる

*特にテキストの色の自分が思っている色と違っている場合、間違えてしまうことが多いので、テキストの色でイメージできるようにしておきましょう。

□ほかの色と比較して覚える…1つの色だけを覚えようとしても特徴が覚えられないこともあります。その場合はほかの色と比較して理解すると覚えやすくなります。

試験では、あまりにも近い色が出ることは考えられません。例えば、珊瑚色(明るい赤)と紅梅色(やわらかい赤)は色図版でもマンセル値(2級で勉強します。)でも近いので、その違いを色別できるようになる、ということまでは求められないと思います。ただ、珊瑚色(さんごいろ)と茜色(あかねいろ)なら、珊瑚色のほうが明るい色だな、とか、萌黄(もえぎ)と若竹色(わかたけいろ) なら、萌黄のほうがより黄みが強い緑だな、といったように、2色を比較して実際の色を見た目で覚えるとあわせて、色みの特徴や明度や彩度の違いと一緒に覚えると、試験の時の選択肢を選ぶ際、とても選びやすくなると思います。

□由来も覚える 今回の試験では色名が出て、具体的な色を選択肢から選ぶパターンでしたが、由来で色を選ぶ場合もありますので、なぜその色名になったかを理解できるとよいでしょう。

2020年冬の問題(16)その色名でなんとなく具体的な色がイメージできるようにしましょう。

A 茜色(あかねいろ)濃い赤なので、②とわかりやすいと思います

B 萌黄(もえぎ)あざやかな黄緑なので①です。→名前が萌黄で黄色系統と間違えやすいので注意

C 藍色(あいいろ)藍色はデニムの色で目にするのでイメージしやすいと思います。青系なので②と間違えやすいですが、②は④より彩度感がある色で瑠璃色に近い感じです。(藍染は植物染料を染める減法混色なので暗いイメージができるといいですね)

D カーキ 近いイメージの色が①②④と3つあるので、やや迷いやすい問題ですね。カーキは黄色系統なので③はすぐに消去できると思います。ブロンドやベージュなどと比べるとカーキは暗いので②を選べるとよいですね→セピアは一番暗い黄色なので一緒に覚えるとよいですね。

E モーブ モーブは一般に流通しているメイクカラーのイメージとしては②が近いと思います。ただ、慣用色名では、イギリスの化学者のパーキンが発見したそのものの色、つまりかなり彩度の高い青みの紫なので、引っかからないように気を付けましょう。

F スカイブルー 明るいブルーなので③は選びやすいと思います。

今回の慣用色名は、由来としても出題されやすいものなので、由来もテキストで確認しておきましょう!